昨年末の記事 「WCAデータベースたわむれ入門」 でWCAデータベースを用いる取っ掛かりを説明しました.
その記事はデータベースを扱うためのoverviewを重点的に書いたので具体的なWCAデータベースの操作方法までは触れていませんでした.
今回は実際に簡単なアプリケーションの開発をしながら,具体的なSQLの使い方を見ていきましょう.
ということで「自己ベスト記録のリスト」を作成します.
WCAの個人記録ページの最上部に出てくるような,種目ごとにSingleとAverageの記録を表示するリスト(表)を作成することを目的とします.
下の図のようなものが完成図です.
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triboxストアが蛍光色ステッカーを一新するそうで,ステッカー色に関する話題です.
ステッカー色の”差”を曖昧な主観的な感覚の判断ではなく,客観的に見ることができないか考えました.
色間の類似度ってどっかで定式化されてないかなーって思って調査してみたら存在したので実際に計算してみました.
新蛍光色ステッカーの公式レビュー.
triboxレビューでもお馴染みのキュービスト5名に、triboxステッカーの新しい蛍光色を試してもらいました。概ね「良くなった」との評価を頂き安心しております。ただやはり、Red、Orange、Light Orangeの色みが近いのが気になりますね。
— tribox Japan (@triboxJP) 2015, 1月 19
従来から、赤とオレンジをどちらも蛍光にする場合は、RedとLight Orangeの組み合わせが人気でした。しかしそれよりも、赤を032か031にされるお客様が多数で、この場合さらに視認性が向上します。
— tribox Japan (@triboxJP) 2015, 1月 19
同じ理屈で、黄と緑の色みを遠ざけるため、蛍光Yellowに合わせる緑を062か061とするのも人気です。
— tribox Japan (@triboxJP) 2015, 1月 19
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この記事では,Rubik’s Clock (ルービッククロック) の画像ジェネレータを紹介します.
N×N×Nキューブの画像生成ライブラリは,VisualCube などが有名ですが,Rubik’s Clock の画像生成ライブラリはあまり知られていません.
私もさっきまで知りませんでした.
WCAの公式スクランブラTNoodleやレギュレーションを管理してるGitHubのチーム Cubing のリポジトリを眺めていたらClockのいい感じの画像ジェネレータを発見したので本記事で紹介します.
こんな感じの画像が生成できます.
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あけましておめでとうございます. 2015年最初の記事です.
本記事では,N×N×N (2×2×2 ~ 7×7×7) キューブを目隠しで揃えるための記憶量を計算し比較考察する. キューブの記憶量に関する問題はSNS等でたまに話題になるが,この際ちゃんと定式化してみた.
現在の N×N×N キューブ目隠し解法の主流はコーナー,エッジ,センターそれぞれの3点交換(3-cycle)であり,記憶方法もそれに即して facelets (ステッカー)列を記憶する方法である. 本記事もその方法でキューブの状態を記憶する.
初めに断っておく. 同じサイズのキューブでも記憶方法の違いやキューブの状態によって記憶量が少々異なる. 本記事では,異なるサイズのキューブ間での記憶量を比較するのが目的であり各サイズのキューブにおいて厳密に記憶量を計算することはしない.概算である.
いきなりだが結果を示す.以下の表に,2×2×2 から 7×7×7 を目隠しで解くときのキューブ状態の記憶量を示す.
具体的な算出方法は本記事の後半に記述したので,興味のある方はそちらを参照されたい.
キューブの種類 | 記憶量 |
---|---|
2×2×2 | 31 bit |
3×3×3 | 80 bit |
4×4×4 | 239 bit |
5×5×5 | 392 bit |
6×6×6 | 655 bit |
7×7×7 | 912 bit |
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本記事は,Speedcubing Advent Calendar 2014 の16日目の記事です.
15日目はこうさんの「EP上下反転手順」でした.
Note: 本記事の内容はスピードキュービング競技の技術に直接的に結びつくテーマではありません.
ハワイからの更新です.
さて,これまでのWCAデータベースに関する記事として,
1) BigDumpを用いてインポートする方法,
2) サーバ上のデータベースを自動的に定期更新する方法
を紹介してきました.
WCAデータベースを扱う操作の内,インポートという部分的な処理に焦点を当てて記述しましたが,
本記事ではデータベースの導入から実アプリケーションの作成までの一連流れ,全体像を説明します.
WCAデータベースを使ってわちゃわちゃ遊ぶための基礎知識という位置付けです.
Web技術にちょっと興味があるけどまだ手を出せなかった方らへんを対象として想定しています.
これを機に,多くの人がWCAデータベースに触れて面白いデータやアプリケーションが増えたら楽しいなと思います.
本記事の構成は以下のようになっています.
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本記事では,WCAデータベースをサーバまたはローカルに自動的に定期更新する方法を説明します.
前の記事でBigDumpを用いて手動で簡単に高速にインポートできることを紹介しました. 本記事はその続きです.
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ルービックキューブを解くアルゴリズムについて書きます.この記事では具体的なアルゴリズムの話はありません.
(情報工学的アプローチでの見方です.ルービックキューブを解くアルゴリズムは「群論」とも深く関わりがありますが,私は情報工学系の人間なので群論は全くわかりません.)
※ この記事はルービックキューブを解くアルゴリズムの概念的なものを説明した記事です. 実際のルービックキューブを我々人間が解くやり方は以下のページをおすすめします.とてもわかりやすく書かれています.
ルービックキューブの解き方
まず,いくら時間をかけて良いという環境のもとであればルービックキューブを単に解くということは実は非常に簡単なタスクです.
ただ,それをいかに効率良く解くか,というのが非常に重要なことで,多くの人々の興味の対象でもあります.
その手順がアルゴリズムです.
本記事ではルービックキューブを解くアルゴリズムの概念を説明した後,既存手法を 1)人間的アプローチ,2)コンピュータ的アプローチのそれぞれでごくごく簡単に分析し,自分がこれから試してみたいことをまとめます.
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ブログ初投稿の記事です.
一部のスピードキューバの方々はWCAのDatabase exportを利用されていると思います.
近年の公式大会数の増大に伴って,データベースファイルが容易に扱いにくくなるレベルまでサイズが大きくなっています.(2014-11-14現在,sqlファイル約94.4MB)
エクスポートページではSQLファイルとTSVファイルが公開されていますが,これほど大きいサイズのデータを扱うとなると,TSVファイルを純粋なファイル関数やオレオレパーザで現実的な時間で操作することはほとんど不可能になってきています.
そこでSQLファイルを使用して,MySQL等のデータベースを使用するのが妥当でしょう.
公開されているSQLは差分をinsertするのではなく,テーブルをdropして1からデータを挿入するため,データ量が膨大になるにつれ,インポート時間が相当長くなるという問題があります.
さらに,php.iniでいろいろファイルサイズやタイムアウト値を制限されてると変更だったり面倒だし,レンタルサーバ等ではこれらの値を変更されることができずにインポートができないことも考えられます.
仮に変更できたとしても,phpMyAdmin等からインポートすると,1回でインポートしきれないため,途中から再開したりだとかとにかくいろいろ手間がかかりまくりです.
本記事は,BigDumpを使用すると,楽に,高速にインポートできるよ,というお話です.
データベースはMySQL前提です.
※サーバに直接ログインできる or ssh接続できる 等の環境であれば,mysqlコマンドからインポートできるので,本記事はVPS等ではなく共用のレンタルサーバでsshログインが許可されていない場合を想定しています.
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